(有)古橋商事(東京都)、防振防音設計の処理機導入で騒音対策万全
ダブルクランプシャー導入
東京都城北地区の有名ヤード業者(有)古橋商事(古橋秀夫社長、東京都足立区梅田4-27-16、電話-3886-3312、従業員8名)は、同地で戦前に創業し、現古橋秀夫社長で3代目となる。このほど稲垣製作所製「ダブルクランプシャー640トン型」をリプレース。周辺地域の発展に伴い、現在都市型ヤードの老舗として操業を続けささらなる事業展開を進めている。
東京都足立区、荒川沿いの一角に(有)古橋商事がある。周辺には古くから自動車解体業者、産業廃棄物事業者などが集中しており、現在では民家、マンションなども多い。同社は戦前からこの地で3代にわたって鉄スクラップ事業を営んできた老舗の1つだ。現古橋秀夫社長が社長に就任したのは昭和39年、ちょうど20歳のときだった。それから36年、高度成長の中で周辺環境も様変わりし、民家やマンションも増えた。現在の同社の扱い品目は、甲山、缶類、板類、鉄千地、トタン等で、月間扱い量は鉄スクラップが7〜800トン、非鉄スクラップが50トン程度。缶類の扱い量は月間280〜290トンになる。平成4年に産業廃棄物中間処理業の資格を取得し、今では都市型ヤードの老舗として操業を続けている。同社ヤードの敷地面積は約300坪(前面建屋)で、天井クレーン3台(2.9トン)、ユンボ1台、プレス機、そして今回リプレースした「ダブルクランブシャー640トン型」でスクラップの加工処理を行っている。
稲垣製作所製「ダブルクランプシャー640トン型」の仕様は、∇投入ケース寸法・2.000(W)×900(H)×7.000(L)。∇刃巾・2.000(W)×450〜850(H)。∇切断能力・640トン。∇クランプシリンダ能力・第一クランプ95トン、第二クランプ135トン。∇サイドプレスシリンダ能力・78トン(1本)。∇送り込み方式・油圧モーターチェーン走行。∇ピストンポンプ、ギアポンプ・各2台。∇電動機・AC200V、37kw、6P、両軸2台。∇操作方法・全自動式、手動式。∇1サイクル(無負荷)・約35秒。さらに標準装備として、機械本体全体に防振装置を設定。また油圧ユニットを吸音カバーすることにより、振動、騒音をシャットアウトしている。
防音・防振設計が決め手
機械の導入に際して、古橋商事のような都市型ヤードでは、騒音問題が最も頭を悩ませるところ。古橋社長も「静かであることが(処理機導入の)第一条件だった。」と言う。その点、稲垣製作所製のダブルクランプシャーは、防振、防音装置が標準装備。稼動中の同機を見て「これなら」と決めたという。また古橋社長の要望で厚さ12mmの鉄板でユニット部分を囲み、さらに防音効果を高めている。その他、投入ケースの長さを6mから7mに拡張。投入ケース横に踊り場を設置することで、スクラップを投入しやすくしている。こういったきめ細かな対応が導入の決め手となった。後5年くらい操業を続けて、廃業しようと考えていた。しかし子供達(息子さん1人、娘さん2人)が続けていきたいと言ってくれたから…・。子供達が色々な案を出してやっていくのがいいと思う。仕事の面では子供に任せて、口を出さずにやっていきたい。」と古橋社長。しかし一方で「これからはギロチンがないと。プレス機だけでは難しい。」と目を輝かす。元々同社がギロチンを導入したのは25年前。当時としては、数少ない機械化を進めたヤード業者だ。もちろんその当時導入を決めたのは古橋社長。廃業を口走るかと思えば、ギラギラと目を輝かせ、先を見据えて機械化を図る。また産業廃棄物中間処理業の資格も、平成4年に既に取得している。江戸っ子の気風に惑わされた感があるが、古橋社長の目はまだまだ現役だ。今のところ、子供さん達3人を3本の矢に見たて、束ねようとしているところと見るが。 今後の同社の活躍を期待したいところだ。
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