結城金属(茨城)本社工場リフレッシュ
結城金属(株)(稲見智明代表取締役、本社・茨城県結城市見晴町633-3)では、このほど本社工場にギロチンシャー2基(稲垣製作所製800トン及び200トン)の同時導入を柱にしたリフレッシュ計画を遂行した。しかもそれによって鋳物用配合と電炉用スクラップの加工処理を連続する1つのシステムで追及しようとするユニークな構想とレイアウトである。順調操業に入り注目される同工場の内容を紹介したい。
稲垣製作所製ギロチン2基同時設置
結城金属(株)の本社工場は茨城県の西北部、結城市街地の国道50号線に面しており、西には栃木県小山市東に茨城県下館市があってしかも、50号線は西数キロ先で国道4号線、東も十キロ程で294号線と交差する。同社はその交通の要所に立地している。会社は昭和31年に創業、45〜6年にシャーリング、ホイストクレーンなどを設置し、60年に第2ヤード(結城第一工業団地内)建設。62年に本社工場の建屋を建設し天井クレーンなどを設置した。株式会社には平成6年3月改組、同時に現社長(2代目)が新社長に就任しており、そして今年4月にギロチン2基設置を果たしたわけである。同社の扱い品目及び営業内容は、鉄スクラップ及び配合甲山を主体に、その他非鉄金属、建物解体、産廃収集運搬−など多種。扱い量は月間800〜千トンでうち鉄スクラップは50%配合甲山50%、非鉄少々−となっている。とりわけ、配合を扱っているのでスクラップもHSやHI等の上物材が多く、自社で引取りが90%で大型車五台、4トン車3台で集荷を行い、出荷には代車(トレーラーなど)も使っている。納入先は専業商社や問屋を窓口に配合甲山は日ピス、東京鋳造、日産UDなどへ。鉄スクラップは立地を生かし北関東周辺電炉5社程へ納めている。工場設備は本社工場(敷地1.980平方米)には建屋3棟、天井クレーン4基(マグネ付)、プレス機(50馬力、缶、非鉄用)シャーリング4台、事務所などで、ここに今回稲垣製作所製800トン、同200トンギロチンシャーの2基同時導入を行った。なお、第2工場は敷地4.950平方米で、材料の置き場が主でユンボ、ラフタークレーンが設備してある。今回、本社工場にギロチン2基導入したのは@材料が処理しきれず山になってしまうA省力化(人件費が最も高い)Bハンドシャーリングでの配合加工は危険が伴い安全性の追求C現在の扱い量で十分採算が取れる計算から機械を入れたと稲見社長はその動機を語っている。
配合甲山と製鋼原料の両用ギロチン
設備されたシャーの特徴は、まず800トンギロチンだが200馬力で2つの加工処理目的に応えた特注となっている事で、具体的には@ボックスの長さを10米と超ロングとした(幅2.5米、高さ0.8米)A切断方法を製鋼原料用と配合甲山用に経済効率を考慮したツーバージョン設定(製鋼より配合用のストローク回数が多い)出来るB同じくその素材の押さえを目的別にトリプル(3段)クランプ方式にC切断刃形を次工程の配合材のよじれ防止の為「へ」の字形刃を採用D配合用前処理の場合はピット上に可動式材料蓄積ホッパーを付けたなど。次いで200トンギロチンは配合専用シャーで、50馬力、ボックス幅0.6米、長さ5.5米、高さ0.6米。負荷時のストロークが4回/分となっており、800トンギロで製鋼原料用と配合甲山用前処理造りを目的別に行い、200トンギロへは配合材がホッパーを通じて流れ、配合加工するレイアウトである。配合と製鋼原料の両方に使えるギロチンということで1年以上相談を重ね、稲垣製作所はその特注に応えてくれたといわれ、その後狙い通りの順調操業に入っている。社長は39才と若く「努力と工夫」をモットーに11名の社員は皆仕事に真剣であり明るい。同社のこの新システムによるヤード経営に新たな期待が寄せられている。
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