ユーザー紹介  大興金属様 (SPS1000T)

高松金属様






  

大興金属(株)牧之原工場
環境対応型の総合リサイクル工場今月3日にオープン

大興金属株式会社(本社=静岡県浜松市天王寺2025、山本淳模社長)では、同社の第三拠点である牧之原工場(静岡県榛原郡相良町白井749−21)がこのほど完成し、3月3日から営業を開始した。3万5,788uの広大な敷地に完全密閉型の金属スクラップ処理工場と故紙・廃プラスチック処理工場、非鉄倉庫などを建設。
1000トンギロチン、150馬力プレス機、大型古紙ベーラー、廃棄物破砕機と選別ラインなどの設備に加え、全面コンクリート舗装のヤードに油水分離槽を3カ所設備した環境対応型の新工場は、地域の総合リサイクル拠点として社会に貢献していく方針だ。

同社3番目の工場が営業開始
大興金属は浜松市に本社工場と東三方工場を持ち、鉄・非鉄金属スクラップの加工処理、産業廃棄物の収集運搬、中間処分などを手掛ける静岡県西部地区の大手ヤードディーラー。
 同社は近年のスクラップ取扱量の増加と静岡県中部地区の取引先に対応するため、新工場の建設を計画。総投資額およそ12億円をかけて牧之原工場が竣工となった。
 新工場は東名高速道路相良牧之原ICから南東へ6kmほどの白井工業団地内にある。
敷地面積3万5、788u。ここに約2,000uの金属スクラップ処理工場、約2,400uの故紙・廃プラスチック処理工場、340uの非鉄金属倉庫、337uの事務所を建設。設備として稲垣製作所1,000トンギロチンシャー1基、渡辺鉄工製大型古紙ベーラー1基、富士鋼業の廃棄物クラッシャーと振動プレートフィーダ、選別ライン各1基、西電工機製作所リフマグ付き4.8トン天井走行クレーン2基、日立建機パワーショベル4台、60トン全自動トラックスケール1基などを新設した。
 新設のギロチンシャーはワイドクランプシャーSPS1000TW。切断能力1,000トン。刃幅2,000(W)×1,000(H)×600(L)mm。投入ケース寸法
2,000(W)×1,000(H)×6,000(L)mm。クランプシリンダ能力200トン×2−400トン。サイドプレスシリンダ能力80トン×2−160トン。送り込み方式は油圧モーターチェーン送行。油圧ポンプはピストンポンプ4台とギアポンプ4台。
電動機はAC200V・55kw・6P、両軸モーター4台。1サイクル(無負荷)約35秒。

ISO14001を取得予定
 同機はワンタッチ切り替えであらゆる材料に応じた切断方式を選択でき、切断時の油圧
ショックをスムースに取り除く油圧ロジックシステムを採用。加えて機械本体に防震装置を設置し振動騒音をシャットアウトした。また、大興金属では音声ガイダンス付きのモニター操作盤を採用。トラブル箇所を音声で指摘するなど、基本設計とメンテナンスに優れた稲垣製作所の新鋭機である。
 また、稲垣製作所スクラッププレス機は三方締めの3SP400L。投入ケース寸法2,000(W)×1,000(H)×4,000(L)mm。製品寸法650(W)×650(H)×フリー(L)mm。主押シリンダ能力280トン。中押しシリンダ能力140トン
×2−280トン。押蓋シリンダ能力70トン×2−140トン。ゲートシリンダ能力60トン。油圧ポンプは、ピストンポンプ2台・ギアポンプ2台。電動機はAC200V・55kw・6P、両軸モーター2台。150馬力。材料投入後は、プレス製品の押出しから整理まですべて全自動で、簡単操作かつ高能率の稲垣製作所自信のプレス機である。
 こうした加工処理を支えるのが西電工機製作所リフマグ付4.8トン天井走行クレーンである。大型建屋の金属リサイクル工場内で2基の天井走行クレーンが縦横を駆け巡り、荷下しや母材投入、製品の搬出、仕分けにフル稼働する。
 日立建機のパワーショベルは、0.7?全旋回フォーク付とマグネット付き各1台、エレベーターキャブ式1台、0.4?フォーク付き1台を導入。4台の重機が荷物の積み下ろし、荷さばきに活躍する。
 故紙・廃プラスチック処理工場には渡辺鉄工製の150HP古紙ラージベール「LBP−1811−150A」を設備。圧縮力103tf、製品寸法1000×1000×自由mm。
処理能力18〜22t/h。古紙業界で信頼と実績のある渡辺鉄工の設計製作である。
 また、建設廃材など産業廃棄物の処理を目的に富士鋼業の2軸破砕機と振動プレートフィーダ、選別ラインを導入。破砕機はシュレッドイーグルSE−80K型。同機により破砕された廃棄物は振動プレートフィーダにかけられ、廃棄物を分別しながら選別ラインに落とす。コンベア上では手選別により、有価物などを回収し、リサイクルする。
 現在、産業廃棄物処分業(中間処理)の許可申請中で、許可が下り次第、産業廃棄物の受け入れを開始する予定である。

4月6日に関係者招き竣工式
 新工場は公害防止にも注力している。工場建屋を密閉型に設計し、騒音、防塵対策を実施。農業用水の貯水池に隣接していることから、雨水などによる汚水を防ぐ目的で、工場内をコンクリート敷設し、油水分離槽を3カ所設置。また建屋の庇を5mと延長し荷物が雨水に濡れないように工夫を凝らした。
 これらにより汚水などによる公害を防止。本社工場、東三方工場でISO14001を
取得した企業として環境対策に万全な姿勢を見せている。現在、牧之原工場でもISO取得に向けて準備を進めているところだ。
 新工場の建設目的について山本社長は「扱い量の増加で、本社工場と東三方工場の加工処理能力が飽和状態にあり手狭になってきた。それに加え、静岡県中部地区の仕事が増加傾向にある。そういったことから、本社と東三方の2工場の飽和状態を解消し、掛川以東のエリアをカバーする第3工場の建設が急務であった」と語る。
 同社の鉄スクラップの扱い量は月間およそ1万3,000トン、非鉄金属約500トン。
 主な納入先はトピー工業、新日本製鐵、東京製鐵、大同特殊鋼、昭和軽金属など。新工場のスタッフは責任者の山本慶輝専務をはじめ15人。山本社長は「スクラップを中心に扱うが、地域の要望に応えるために古紙と廃棄物を総合的に扱うリサイクル工場として立ち上げた。地元企業から出るものは大興金属に頼めば全部処理できる、という形が理想。
そうした総合リサイクル業としてお客さんに満足してもらい、地域社会に貢献していきたい」と力強く抱負を語る。なお、4月6日には関係者らおよそ200名を集めて新牧之原工場の竣工式が執り行われる予定である。




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